大阪天地開闢神話~マジカルミライ2021参加後記~
好きな子を追いかけて気づいたら大阪にいた。
初音ミクという存在を知ったのはいつだったか。はっきりとした時期は覚えていないが、その声を初めて聞いたのは高校1年生の時だったと思う。
当時使っていたiPhone4sにはYoutubeのアプリがデフォルトでインストールされていて、通信制限なるものがあるとは知らなかった僕は、月7GBのデータ通信を月初に使い果たし、残りの20日強を、よくフリーズするアプリ版のYoutubeでボカロを聞いていた。
ボーカロイドに限らず歌には聞いた時の心象や情景を思い起こさせる力がある。
今年のライブで歌われた巡音ルカの「ダブルラリアット」は僕にとって思い出深い曲だ。
そのタイトルの特異感と巡音ルカの優しくエモーショナルな歌声のギャップに惹かれて
高校生の頃に通学時に何度も繰り返し聴いていた。10年たった今でも大好きな曲の一つだ。
今でもこの曲を聴くと、半径85センチの小さな世界でもがいたり、から回ったりしながら過ごした高校生のころを思い出す。
しかし、ライブ会場に足を運べば「そこに初音ミクがいる」と、だれもが感じることだろう。それほどに圧倒的な存在感を放ち、鮮やかに初音ミクはステージ上で歌い踊る。
10年前と比べると今の技術は格段に発達していて、ライブでのモーションやボーカロイドの声調は、より人間に近いものになっている。
しかし、初音ミクが命を宿すということは単に技術の力だけで実現できることではない。
今年のライブのアンコール曲には、去年のマジカルミライのテーマソング「愛されなくても君がいる」が一曲目に歌われた。
ピノキオピーが書き下ろしたこの曲の中には
「体温がなくても 存在しなくても 君が存在を感じてくれたら
嘘でもうれしかったよ」
という歌詞がある。
万人に受け入れられなくても、愛されなくても、それでも曲を作り、聴いてくれる人がいる限り、初音ミクは初音ミクでいられるのだ。
ライブを通して、改めて自分は初音ミクが、ボーカロイドが好きなんだなぁと感じた。
それと同時にいつか自分の曲をライブでミクが歌ってくれたらどんなに幸せだろう、とも。
来年は初音ミク15周年、そして再来年は16歳のバースデーイヤー。これからもその不器用な声を追いかけて、色んなところに会いにいこうと思う。
P.S 今回ライブと大阪観光に付き合ってくれたA氏夫妻、本当にありがとう。
とっても楽しかったですううう。圧倒的感謝。。。
sasakure