#15 福岡をよく知らない福岡人
先生の研究室で司会者の打ち合わせを終えた僕たちは、ひとまずご飯を食べに行くことにした。
大学の近くには多くの食堂やカフェ、居酒屋が立ち並んでいる。(僕が日本で通っている大学の近くには本当に何も無いから羨ましい泣)
歩いて正門の近くまで来たところで、急にヘジさんが立ち止まった。
ヘジさん「やばい!先生の研究室に本忘れた!!」
そしてなぜか爆笑しだすヘジさん。
なんだこの人?面白い笑笑
聞いてみたところ、 ヘジさんは日本語の他にも副専攻として英文学も勉強しているらしい。
ちなみに僕は大学で経済学を専攻している。でも大学に入ってから社会学にも興味を持ったので、共通科目の社会学の授業もいくつか受けたことがある。
僕の大学は副専攻をするための条件が厳しかったので、比較的副専攻をしやすい韓国の大学が羨ましい。。
本を取りに戻って、食堂に向かう途中のカフェ通りを歩きながら、ヘジさんは家族と福岡で旅行をした話をしてくれた。
ヘジさん「アイノシマっていう猫がたくさんいる島に行ったよ」
僕「アイノシマ?どこそれ?福岡にある?」
ヘジさん「あるよ!猫がたくさんいて、、知らないの?」
僕「そんなとこあったっけ?知らないなぁ」
ヘジさん「本当に福岡の出身?笑
私の方が詳しいかもね笑」
僕「うーん、そう言われるとたしかにそうかも笑」
…自分はあまり福岡のことを知らないのかもな。
大学生になって上京してからは年に2回くらいしか帰ってないし。
最後に家族と旅行に行ったのはいつだろう?最近あんまり家族とゆっくり話せてないな。
そんなことを考えているうちに、食堂に到着した。
ここは石焼きビビンパの美味しい食堂だ。以前友達に連れて行ってもらったことがある。
いつも人がいっぱいでお昼時には列が出来るほどの人気店。
店内に入ると時計の針はもう18時30分を指している。
店内に広がるビビンパの匂いと、パチパチと音を立てる石窯の音を聞いたとたんに、急に食欲が湧いてきた笑
そういえば今日はお昼を食べ損ねてたんだ。
注文を済ませて、しばらくヘジさんと雑談して待っていると、僕たちの注文したビビンパが出てきた。
「あ、写真撮ろうかな。。いや、そんなことより今すぐ食べたい!」
石釜からはまだ湯気がたっていて、じゅうじゅうと美味しそうな音が聞こえる。
「잘 먹겠습니다~ (いただきます)」と言うなり、僕たちは熱々のビビンパを食べ始めた。